総合評価 ★★★★★★ ★(61.5/100)
医学、生物、ITなどはMD、PhD等の資格をもつネイティブ校正者、政治、経済、法律、金融などはMBA等の資格をもつネイティブ校正者が担当する。投稿先のジャーナル水準により、校正後にアップグレード(リライト)対応も差額追加で受け付ける。
実際の納品物サンプルが掲載してあるのでイメージしやすい。
ドルフィンの弱点
提供サービスの問題とは別だが、ウェブサイトの作りが悪い。文字が多く個別サービスのポイントがつかめない。また外部評価やユーザー評価の情報がないので客観的な評価がしづらい。FAQなどもない。
ミニマムチャージが3000円なので、ごく少量のカジュアルな文章には不向き。
品質
各分野の専門家で、日本人英語をブラッシュ・アップする訓練を受けた校正者が下訳を行い、プルーフリーダーが再点検、最後にコーディネーターが最終確認を行うというステップを踏む
納期
3日~
料金
4.5円/語(1st-tec.サービス)
使いやすさ
見積フォームがあるが、10項目以上の個人情報などを入力する必要があり、簡単には行えない。すべての情報が全体的に分かりづらい。
学術論文への適性
論文を専門にしており、ジャーナル掲載を前提にしたアドバイスに対応している。 また1円/語の上乗せで、投稿規定に合っているかの点検にも対応する。
専門性
20%が生物学・生化学、20%が生物・医学情報学、20%が医学、20%が情報工学
ビジネス用途
校正に関しては基本的には論文を前提としている
クロスチェック
専門家による下訳、プルーフリーダーによるブラッシュアップという二重体制
割引制度
20%(エキスパート初回利用時)
■英文校正サービスを使いこなす3つのポイント
すでに出来上がっている英文に対して、わざわざお金を支払って校正してもらうからには、納得のいく内容になっていなくては困りますね。
同じサービスでも最良のパフォーマンスを引き出す利用の仕方や、必要十分以上のお金をかけすぎないためのポイントを3つ挙げてみます。
1.英文校正を依頼する際の基本のキ
基本的に「英語ネイティブに確認をしてもらう」というのは、校正として最低限の必要条件です。外国の人がピンと来ない微妙なニュアンスでも、日本人なら分かるというケースがありますよね。筆者も以前に、同僚の中国人(ものすごく日本語は上手)が書いた注意喚起のアナウンス原稿「会場内では、おタバコ 及び おスマホでの通話はご遠慮下さい」というのを、なるほどと思いながら修正した経験があります。
このようにネイティブであれば正しい文章に直せる可能性がありますが、かといってネイティブならば十分かと言うと必ずしもそうではありません。文書の内容が専門的過ぎたり、そもそもの英語がひどすぎる場合などは、正すにも正しようがないという場合もあります。
特別な業界や分野の専門用語は、母国語であっても正しいかどうか判断が難しいのは想像できますね。また文章としての構造がきちんとしていない英文では、主語が何なのか、節と節の関係性が分からず事実関係が理解不能、といったケースもあります。
英文校正を出す場合は、まず自分の専門にあった校正者に依頼すること、ある程度「まともな英文」であること、この2つを忘れないようにしましょう。
「まともな英文」が作れない!という方は無理をせず、英文校正ではなく、リライトサービスや、英文翻訳で依頼するようにしましょう。
2.ただ原稿を渡すだけでは、良い英文校正は提供されない
英文校正を依頼しようと考えている方の中には、いくつかのサービスを比較し、相見積もりを取る方もいるでしょう。その際、サービスによって入力する(提供する)情報がさまざまであることに気づくかと思います。
校正してもらう英文に加えて、ジャンル(専門分野)などを指定することが一般的ではないでしょうか。しかし例えば「IT」という分野を指定したところで、それが論文なのか、一般向けに開示するウェブサイト用の文書なのか等によって、文章スタイルも変わりますし、当然担当すべき校正者も変わります。
ユーザー側はそこまで思い及ばないことも多いですが、このような「訴求対象」は校正を行う上で大きなポイントになるのです。
サービスの中には、ユーザー側では見落としてしまいそうな要項を、依頼のプロセスに上手く落とし込んでいるものもあります。
下記はB社というサービスに発注する際に実際に入力する項目です。
---
①エディター指名の要否
②ダブルチェックの要否
③修正履歴の要否
④機械翻訳を使用しているか
⑤校正の目的(ビジネス・学術・論文・他)
⑥英語の種類(米・英・豪・他)
⑦校正の方向性(校正者の裁量)
⑧修正箇所についてのコメント要否
⑨要約校正の要否
⑩原稿のターゲット(訴求対象)
---
最低限これらの項目を提供してから校正が行われますので、後から「こんなはずではなかった」という事態を最低限にすることができます。
他にも各サービスごとに様々な工夫が行われていますので、発注する際は、校正者にできるだけ多くの情報を提供し、最大限のパフォーマンスを引き出せるように心がけましょう。校正サービスを活かせるかは、ユーザーの腕にもかかっているのです。
3.校正文書の目的と適正価格
これは英文翻訳にも言えることですが、単価の相場というのはあってないようなものです。ただし傾向として言えることは、校正の一大マーケットである学術論文を専門とするサービスでは、価格が高めに設定されています。その背景としては3つ挙げられると思われます。
1つは内容の専門性が高いため、校正者の人件費も高くなることが考えられます。論文専門のサービスは大抵が博士号などを持った専門家で、当然人件費という形でコストに影響してきます。
次に論文というジャンルの特性から、例えば単語数削減やフォーマット準拠などといった独自のサービスを付加価値として織り込む場合です。
3つは価格の位置づけです。論文の著者にとって最大の目的はジャーナルのアクセプト(掲載)であり、そのためなら「カネに糸目はつけない」という場合もあるでしょう。そういうユーザーとそれに応えるサービス提供者にとっては、価格設定は最重要課題ではないのです。従って「コストは高めだが、論文を成功に導く」と標榜するサービスが多く存在することになると考えられます。
ではこれを逆手に取って考えてみましょう。もしもあなたの英文が学術論文でない場合。つまり博士号の知見や、ジャーナル規定とは無縁の英文の場合、これらのスペック(とそれに伴って上乗せされた料金)は必要でしょうか?一般消費者向けに、ウェブサイトに分かりやすく説明したい文章や、ビジネスレター、化粧品の取説などなど… そのような場合は、論文サービスで設定された価格はオーバースペックであり、必ずしも適正な料金で校正が提供されるかは慎重になる必要があります。
ご自分の文章が何の目的のものなのか、使おうとしているサービスの得意分野が何で価格がどの程度か、マッチングについてもよく検討するようにしましょう。